活発に動き回る小さな子どもは、転んだり、物にぶつかったりして、切り傷を作るのが日常茶飯事です。しかし、いざ我が子が血を流している姿を見ると、親としては冷静ではいられず、パニックになってしまうこともあるでしょう。そんな時、どこに連れて行けばよいのか、子どもの切り傷における診療科選びのポイントを解説します。まず、子どもの医療全般における最初の窓口として、最も頼りになるのが、かかりつけの「小児科」です。多くの小児科では、日常的な軽い切り傷の処置(洗浄、消毒、軟膏塗布など)に対応してくれます。小児科医は、子どもの扱いに慣れているため、怖がる子どもを上手に安心させながら処置を進めてくれます。また、怪我の状況から、破傷風の予防接種が必要かどうかを判断し、適切なスケジュールで接種を行ってくれるという大きなメリットもあります。傷が浅く、出血もすぐに止まったような場合は、まずはかかりつけの小児科に電話で相談してみるのが良いでしょう。しかし、傷が深く、縫合が必要と思われる場合は、小児科では対応が難しいこともあります。そのような場合は、「形成外科」または「外科」の受診が推奨されます。特に、将来の傷跡のことを考えると、「形成外科」が最も理想的な選択肢です。形成外科医は、子どもの皮膚の特性や、成長に伴う傷跡の変化も考慮に入れた上で、できるだけきれいに治るような縫合を行ってくれます。暴れる子どもの場合は、安全に処置を行うために、鎮静剤を使用したり、場合によっては全身麻酔が必要になったりすることもありますが、形成外科はそのような対応にも慣れています。また、手足の切り傷で、指が動きにくいなど、機能的な問題が疑われる場合は、「整形外科」が専門となります。夜間や休日で、どこを受診すればよいか迷う場合は、地域の救急病院に電話で問い合わせるか、#8000(小児救急電話相談)に相談して、対応可能な医療機関を教えてもらうのが確実です。子どもの怪我では、親の冷静な判断が何よりも大切です。まずは落ち着いて傷の状態を観察し、適切な診療科を選んであげてください。
小さな子どもの切り傷、何科に連れて行くのがベスト?