尿酸値が高いという状態を正しく理解するためには、そもそも尿酸が体内でどのように作られ、なぜ増えすぎてしまうのか、そのメカニズムを知ることが助けになります。尿酸は、単に食事から摂取されるプリン体だけで作られるわけではありません。実は、体内で生成される尿酸のうち、食事由来のプリン体から作られるのは二割から三割程度で、残りの七割から八割は、私たちの体自身の新陳代謝によって作られています。私たちの体は約三十七兆個の細胞から成り立っており、これらの細胞は絶えず新しいものに入れ替わっています。古い細胞が分解される際、細胞の核に含まれる遺伝情報を持った核酸(DNAやRNA)も分解されます。この核酸の構成成分がプリン体であり、最終的に肝臓で分解されて尿酸が生成されるのです。つまり、私たちが生きている限り、体内では常に一定量の尿酸が作られ続けているわけです。健康な状態であれば、この体内で作られた尿酸と食事から入ってきた尿酸は、腎臓から尿として、また一部は腸から便として、スムーズに排出され、血液中の尿酸値は一定の範囲(基準値は7.0mg/dL以下)に保たれます。しかし、このバランスが崩れると高尿酸血症が起こります。その原因は大きく三つのタイプに分けられます。一つ目は「産生過剰型」です。プリン体を多く含む食事の摂り過ぎや、激しい運動、大量の飲酒、あるいは体質的に体内でプリン体を過剰に作り出してしまう場合がこれにあたります。二つ目は「排泄低下型」です。腎臓の機能が低下していたり、遺伝的に尿酸を排出する力が弱かったりすると、作られる尿酸の量が正常でも、うまく捨てることができずに体内に溜まってしまいます。実は、日本人の高尿酸血症の約六割はこのタイプだと言われています。そして三つ目が、これらの両方の特徴を併せ持つ「混合型」です。自分がどのタイプなのかを把握することは、治療方針を決定する上で重要になります。例えば、排泄低下型の人には尿酸の排泄を促す薬が、産生過剰型の人には尿酸の生成を抑える薬が処方されるなど、より効果的なアプローチが可能になるのです。