子どもの蕁麻疹で、最も警戒しなければならないのが、重篤なアレルギー反応である「アナフィラキシー」の初期症状として、蕁麻疹が現れているケースです。アナフィラキシーは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に入ってから、数分から数時間以内に、複数の臓器に全身性の激しいアレルギー症状が起こる、命に関わる非常に危険な状態です。そのため、以下に挙げるような、蕁ímav疹以外の「危険な兆候」が一つでも見られた場合は、絶対に様子を見ず、夜間や休日であっても、直ちに救急外来を受診するか、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。アナフィラキシーを疑うべき最も重要なサインは、「呼吸器系の症状」です。具体的には、「息が苦しそう、呼吸が速い」「咳が止まらない、声がかすれている」「犬が吠えるような咳(犬吠様咳嗽)や、息を吸う時にゼーゼー、ヒューヒューという音がする(喘鳴・ストライダー)」といった症状です。これらは、喉や気管の粘膜が腫れあがり、気道が狭くなっていることを示唆しており、窒息の危険性がある緊急事態です。次に、「循環器系の症状」です。「顔色が悪く、唇が青紫色になっている(チアノーゼ)」「ぐったりしていて、意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い」「脈が速くて弱い」といった症状は、血圧が急激に低下し、ショック状態に陥っているサインです。また、「消化器系の症状」も、重要な兆候です。「繰り返し吐き続ける」「我慢できないほどの激しい腹痛を訴える」といった症状が、蕁麻疹と同時に現れた場合も、アナフィラキシーの一部である可能性があります。さらに、蕁麻疹が、皮膚だけでなく、「まぶたや唇、顔全体が、パンパンに腫れあがる(血管性浮腫)」といった、粘膜の強い腫れを伴う場合も、気道の腫れに移行する危険性があるため、注意が必要です。これらの症状は、特定の食べ物(卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなど)を食べた後や、ハチに刺された後、薬を飲んだ後などに現れることが多いです。子どもの様子が「いつもと違う」「何かおかしい」と保護者が感じた直感を信じ、迅速に行動することが、子どもの命を救うことに繋がります。
「夜間・休日でも受診を」アナフィラキシーの危険な兆候