5歳の子どもがRSウイルス感染症にかかった時、共働きの家庭などでは、いつから保育園や幼稚園、小学校に登園・登校させられるのかが、非常に大きな関心事となります。この判断の基準となるのが、学校保健安全法という法律です。しかし、RSウイルス感染症は、インフルエンザや麻疹、おたふくかぜのように、「発症した後〇日を経過し、かつ、解熱した後〇日を経過するまで」といった、明確な出席停止期間が定められている第2種感染症には分類されていません。RSウイルスは、「その他の感染症」に分類されており、その登園・登校の基準は、一律に定められているわけではなく、子どもの全身状態によって判断されることになります。では、具体的な登園・登校再開の目安は、どのように考えればよいのでしょうか。厚生労働省のガイドラインなどでは、登園・登校の目安として、「咳などの呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」が挙げられています。つまり、主な症状である激しい咳が落ち着き、熱もなく、普段通りに食事や水分が摂れ、活気がある状態になれば、集団生活に戻ることが可能と判断されるのです。ここで注意が必要なのが、RSウイルスの感染力(他の人にうつす力)についてです。ウイルスは、症状が出始める2~3日前から排出し始め、症状が出ている間が最も感染力が強くなります。そして、症状が軽快した後も、1~3週間程度は、気道からウイルスが排出され続けるとされています。このため、完全にウイルスがいなくなってから登園する、というのは現実的ではありません。だからこそ、登園の目安が「全身状態」に置かれているのです。実際には、多くの保育園や幼稚園、学校では、園や学校独自のルールを設けており、病気の後に登園・登校を再開する際には、医師が記入した「登園許可書」や「治癒証明書」の提出を求められることがほとんどです。したがって、保護者が「もう元気になったから」と自己判断で登園・登校させるのではなく、必ず一度、かかりつけの小児科医の診察を受けてください。医師が子どもの全身状態を評価し、「集団生活に支障なし」と最終的に判断して初めて、登園・登校が可能となります。
登園・登校はいつから?RSウイルスの出席停止基準