「こんな些細なことで、病院に行っても良いのだろうか」「もっとつらい人は、たくさんいるはずだ」「自分の甘えだと思われたら、どうしよう」。適応障害の症状に苦しみながらも、このような不安や、ためらいから、医療機関への第一歩を、踏み出せずにいる方は、決して少なくありません。しかし、その一歩を踏み出す勇気こそが、あなたの未来を、大きく変えることになるかもしれないのです。まず、知っておいてほしいこと。それは、あなたが今感じている「つらさ」は、決して、あなただけの、特別なものではない、ということです。精神科や心療内科の待合室には、あなたと同じように、見えない心の重荷を抱え、勇気を出して、その扉を叩いた、ごく普通の人々が座っています。学生も、会社員も、主婦も。誰もが、それぞれの人生の中で、悩み、苦しんでいます。あなたの悩みは、決して、軽んじられるべきものではありません。初めてクリニックを訪れる際の流れは、通常、以下のようになります。まず、電話やインターネットで予約を取ります。そして、当日、受付で問診票を記入します。そこには、現在の症状や、悩んでいること、そして自分の生い立ちなどを、書く欄があります。うまく言葉で話せる自信がなくても、この問診票に、自分の気持ちを書き出すだけで、医師に、あなたの状況を伝えることができます。診察室では、医師は、あなたの話を、急かしたり、否定したりすることなく、静かに、そして真摯に、耳を傾けてくれるはずです。うまく、順序立てて話せなくても、全く問題ありません。思いつくままに、あなたのつらい気持ちを、ただ、吐き出すだけで良いのです。医師は、その言葉の断片から、専門家として、あなたの苦しみの本質を、紐解いてくれます。そして、「それは、つらかったですね。少し、休みましょうか」と、あなたの苦しみに、専門家としての「お墨付き」を与えてくれるでしょう。その一言が、どれほど、あなたの心を軽くしてくれることか。病院へ行くことは、決して、特別なことではありません。それは、風邪をひいたら内科へ行くのと同じように、心が疲れた時に、専門家の助けを借りる、当たり前で、そして賢明な選択なのです。
病院に行くのが怖いあなたに伝えたいこと