子どもが蕁麻疹で皮膚科や小児科を受診した場合、どのような検査や治療が行われるのでしょうか。その流れを知っておくことで、安心して診察に臨むことができます。まず、診断の基本となるのが、非常に詳細な「問診」です。医師は、①いつから発疹が出たか、②発疹の形や大きさ、出たり消えたりするか、③かゆみの程度、④発疹が出る前に、何かいつもと違うものを食べたか、薬を飲んだか、どこかへ出かけたか、⑤過去に同じような症状があったか、⑥アレルギー歴や家族歴はあるか、といったことを詳しく質問します。この問聞が、蕁麻疹の原因を推測する上で、最も重要な情報となります。次に、「視診」で、発疹の性状や分布を直接観察します。蕁麻疹の診断は、ほとんどの場合、この特徴的な皮膚症状と、詳しい問診によって下されます。原因として特定の食物アレルギーなどが強く疑われる場合には、「血液検査」で、その食物に対する特異的IgE抗体の量を測定することがあります。ただし、血液検査で陽性であっても、必ずしもそれが原因とは限らず、結果の解釈には専門的な判断が必要です。原因アレルゲンを特定するために、皮膚に直接アレルゲンエキスを垂らして反応を見る「皮膚プリックテスト」や、実際に疑わしい食物を少量ずつ摂取してみる「食物経口負荷試験」が、アレルギー専門医のもとで行われることもあります。治療の主役となるのは、「抗ヒスタミン薬」の内服です。蕁麻疹のかゆみや発疹の原因となる、ヒスタミンの働きをブロックすることで、つらい症状を効果的に抑えます。子どもにも安全に使える、眠気の少ない第二世代の抗ヒスタミン薬が、主に用いられます。症状が治まっても、医師の指示に従い、数日間は服用を続けることが、再燃を防ぐために重要です。塗り薬については、かゆみを和らげる効果は限定的ですが、掻き壊しを防ぐ目的で、弱いステロイド外用薬や、非ステロイド系のかゆみ止めが処方されることもあります。もちろん、アナフィラキシーのような重篤な症状がある場合は、アドレナリンの筋肉注射など、救急治療が最優先されます。
蕁麻疹の検査と治療、皮膚科・小児科での流れ