その朝、私はただ床に落ちたペンを拾おうとしただけでした。次の瞬間、腰の奥で何かが弾けるような感覚があり、そのままその場に崩れ落ちました。これがいわゆるぎっくり腰なのだと悟ったとき、頭に浮かんだのは「どうやって病院へ行けばいいのか」という切実な問題でした。一歩も動けないほどの激痛の中で、私はまず這いつくばってスマートフォンを手に取りました。以前から腰に違和感はありましたが、ここまで動けなくなるとは予想もしていませんでした。しばらく布団の上で悶絶していましたが、もしこれが単なるぎっくり腰ではなく、骨に異常があったらどうしようという不安が押し寄せ、家族に頼んで近所の整形外科まで車で運んでもらうことにしました。病院への道のりは、わずかな振動さえも腰に響き、地獄のような時間でした。受付を済ませ、車椅子を借りて診察室に入ったとき、先生が落ち着いた声で「大変でしたね」と言ってくれただけで、少しだけ心が軽くなったのを覚えています。診察ではまずレントゲンを撮ることになりました。台に横になる動作さえも一苦労でしたが、看護師さんたちが手際よくサポートしてくれました。結果として、骨には異常がなく、典型的な急性腰痛症との診断が下されました。その場で痛み止めの注射を打ってもらい、数種類の内服薬と湿布を処方されました。驚いたのは、注射を打ってから三十分ほど経つと、あんなに困難だった歩行が少しずつ可能になったことです。病院へ行く前は、一生このまま動けないのではないかという恐怖がありましたが、専門医に「大丈夫、必ず治りますよ」と言われたことが何よりの薬になりました。診察の中で先生からは、痛みが強い時期の過ごし方について具体的な指導がありました。三日目までは冷やし、それ以降は温めること、そして完全に寝たきりにならず、トイレや食事などは無理のない範囲で自力で行うことが回復を早めるのだと教わりました。帰宅後、処方された痛み止めを服用しながら、教わった通りに少しずつ動くように心がけました。すると、一週間が経過する頃には、痛みは半分以下にまで軽減していました。もしあの時、病院に行かずに自宅で我慢し続けていたら、不安と痛みのスパイラルから抜け出すのに、もっと時間がかかっていたに違いありません。今回の経験を通じて痛感したのは、自分の体の異常に対して、迅速に医療の助けを求めることの大切さです。ぎっくり腰は時間が解決してくれる部分もありますが、病院で適切な診断と処置を受けることは、自分自身の安心を買うことでもあります。これからは腰を労わり、教わったストレッチを継続していこうと心に決めています。
突然のぎっくり腰で整形外科に駆け込んだ私の体験談