甲状腺の病気が疑われる場合、病院ではどのような検査が行われるのでしょうか。見えない体の内部のことだけに、不安を感じる女性も多いかもしれません。しかし、検査のプロセスを知っておけば、安心して受診に臨むことができます。まず、病院に行くと最初に行われるのが「問診」です。医師は、いつからどのような症状があるのか、体重の変化、月経の状態、家族に甲状腺の病気を持つ人がいるかなど、詳しく質問します。このとき、自分の症状を具体的に伝えられるよう、事前にメモを準備しておくとスムーズです。次に「触診」が行われます。医師が首の付け根、喉仏のあたりを直接触って、甲状腺の大きさや腫れの有無、しこりがないかなどを確認します。痛みはほとんどなく、数分で終わる簡単な診察です。そして、診断の鍵となるのが「血液検査」です。腕から少量の血液を採取し、血液中の甲状腺ホルモン(FT3, FT4)と、甲状腺をコントロールしている脳下垂体ホルモン(TSH)の値を測定します。この三つの数値のバランスを見ることで、甲状腺が正常に機能しているか、働きすぎ(亢進症)か、働きが悪い(低下症)かを正確に判断することができます。また、バセドウ病や橋本病が疑われる場合は、自己抗体(TRAb, TPO抗体など)の有無も同時に調べます。血液検査で異常が見つかったり、触診でしこりが見つかったりした場合には、より詳しく甲状腺の状態を調べるために「超音波(エコー)検査」が行われます。首にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる小さな機械を当てて、甲状腺の内部を画像で観察します。大きさや形、血流の状態、結節(しこり)の性質などを詳細に確認することができ、これも痛みや体への負担がない安全な検査です。これらの検査結果を総合的に判断し、医師は最終的な診断を下します。診断が確定すれば、それぞれの病状に合わせた治療が開始されます。
甲状腺の検査は何をする?女性が知りたい診断の流れ