地域医療の要として、日々多くの患者さんを迎え入れている私たちの病院には、決して揺らぐことのない明確な使命があります。それは、この地域に住むすべての人々が、いかなる時も最高水準の医療を受けられる環境を保証することです。中核病院の役割を分かりやすく言えば、地域の医療機関を結ぶ「ハブ」のような存在です。私たちは、地域の開業医の先生方と密接な連携を保っています。先生方が診察の中で感じた「これは専門的な精査が必要だ」という直感や判断を、私たちは最新の設備と専門知識で受け止め、具体的な答えを出す責任があります。そのためには、常に最先端の医学的知見を取り入れ、高度な医療機器をメンテナンスし、各分野のスペシャリストを育成し続けなければなりません。また、私たちの使命は、平時の診療だけにとどまりません。災害が発生した際には、被災地の医療を統括する拠点となり、未知の感染症が流行した際には、その最前線で戦う盾となることが求められています。これらは、民間、公立を問わず、中核病院という看板を掲げる組織が背負うべき重い公的な義務です。一方で、私たちは患者さんを自分たちの病院の中に抱え込み続けることはしません。病状が安定し、日常の管理が可能になれば、速やかに地域の先生方の元へお返しします。なぜなら、患者さんにとって最も幸せなのは、病院という非日常の場ではなく、住み慣れた地域の中で健やかに過ごすことだからです。私たちは、人生の困難な局面において、技術と情熱を持って介入し、再び患者さんを日常へと戻すための強力なサポート役に徹します。病院の建物がどれほど大きく立派であっても、地域の先生方や福祉の現場、そして住民の皆さんとの信頼関係がなければ、私たちは機能しません。地域医療とは、一つの巨大な病院が作るものではなく、小さな診療所から大きな中核病院までが、それぞれの役割を理解し、尊重し合うことで形成される一つの巨大なチームプレイです。私たちはそのチームのリーダーの一人として、これからもこの地域の命の灯火を守り続けていく覚悟です。
院長が語る地域の中核病院が果たすべき使命