ふわふわするめまいで医療機関を受診する際、自分の症状を的確に医師へ伝えることは、正しい診断と適切な治療への第一歩です。しかし、めまいの感覚は非常に主観的で、「なんとなく調子が悪い」といった曖昧な表現になりがちです。これでは医師も原因を推測しにくく、診断に時間がかかってしまう可能性があります。そこで、診察時に役立つ、症状の具体的な伝え方のポイントを解説します。大切なのは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して、自分の症状を客観的な事実として整理しておくことです。まず「When(いつ)」。いつから症状が始まったのか、どのくらいの頻度で起こるのか(毎日、週に数回など)、そしてどんな時間帯に起こりやすいのか(朝、夕方、夜など)を伝えましょう。次に「Where(どこで)」。自宅、職場、外出中など、特定の場所で起こりやすいかを確認します。そして「How(どのように)」。これが最も重要です。めまいの性質を具体的に表現します。「雲の上を歩いているようにふわふわする」「船に揺られている感じ」「自分の体だけが沈むような感覚」など、比喩を使っても構いません。ぐるぐる回る回転性のめまいとの違いを明確に伝えることが大切です。また「How long(どのくらい続くか)」も重要な情報です。数秒で収まるのか、数分から数時間続くのか、一日中断続的に感じるのかを伝えましょう。さらに「What(何が)」。めまい以外にどんな症状があるか(What other symptoms)を伝えます。頭痛、吐き気、耳鳴り、難聴、手足のしびれ、動悸、息苦しさなど、同時に起こる症状は原因を探る上で非常に有力な手がかりとなります。最後に「Why(なぜ)」。めまいが起こるきっかけや誘因として、思い当たることを伝えます。「急に立ち上がった時」「下を向いて作業した後」「疲労が溜まっている時」「寝不足の時」など、自分の生活と関連付けてみましょう。これらの情報を事前にメモにまとめておき、診察時に医師に見せるのも非常に有効な方法です。正確な情報提供が、不安な日々からの早期脱出に繋がります。