子どもの蕁麻疹、特に原因がはっきりしない特発性の蕁麻疹を繰り返す場合、保護者としては、何とかして再発を防いであげたいと思うものです。原因が特定できなくても、日常生活の中で、蕁麻疹の「悪化因子」を避け、皮膚を健やかな状態に保つための工夫をすることで、症状をコントロールしやすくなります。まず、基本となるのが「規則正しい生活と、体調管理」です。睡眠不足や疲労、精神的なストレスは、自律神経や免疫のバランスを乱し、蕁麻疹を誘発したり、悪化させたりする最大の要因です。早寝早起きを心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。日中は、適度に体を動かして、ストレスを発散させることも大切です。次に、「食事」についてです。特定の食物アレルギーが原因でない限り、厳格な食事制限は必要ありません。むしろ、栄養バランスの取れた食事を、規則正しく摂ることが、健康な体作りの基本です。ただし、一般的に、ヒスタミンを多く含む食品(新鮮でない魚、ほうれん草、トマト、チョコレートなど)や、ヒスタミンの放出を促す食品(豚肉、タケノコ、香辛料など)は、症状を悪化させる可能性があるため、蕁麻疹が出ている時は、摂りすぎに注意すると良いでしょう。また、「皮膚への刺激を避ける」ことも重要です。衣類は、チクチクするウールや化学繊維は避け、肌触りの良い綿素材で、締め付けの少ない、ゆったりとしたデザインのものを選びましょう。体を洗う際は、ナイロンタオルでゴシゴシこすらず、低刺激性の石鹸をよく泡立てて、手で優しく洗うようにします。入浴は、熱いお湯に長く浸かると、体温が上昇してかゆみが強くなるため、ぬるめのシャワーで短時間で済ませるのがお勧めです。そして、何よりも大切なのが「掻かない、掻かせない」ことです。掻き壊しは、症状を悪化させるだけでなく、とびひなどの二次感染の原因にもなります。子どもの爪は常に短く切り、清潔に保ちましょう。かゆみが強い時は、冷たいタオルで冷やしたり、医師から処方された抗ヒスタミン薬をきちんと服用したりして、かゆみの悪循環を断ち切ることが、穏やかな状態を保つための鍵となります。