切り傷を負ったらまず何科?正しい診療科選びが重要
料理中に包丁で指を切ってしまった、紙でスパッと指の縁を切った、あるいは転んでガラスの破片で足を切ってしまった。日常生活の中で「切り傷(切創)」を負うことは、誰にでも起こりうる、非常にありふれた怪我です。小さな浅い傷であれば、家庭での応急処”置で十分に治癒しますが、傷が深い場合や、出血が止まらない場合、あるいは汚れたもので切ってしまった場合には、適切な医療機関を受診する必要があります。そんな時、「この程度の切り傷で病院に行っていいのだろうか」「もし行くなら、何科を受診すればいいのか」と、判断に迷うことも少なくないでしょう。切り傷の治療において、中心的な役割を担う診療科は、主に「皮膚科」「形成外科」「整形外科」そして「外科」です。どの科を受診すべきかは、傷の深さや場所、そして何を最も重視するか(機能の回復か、傷跡のきれいさか)によって変わってきます。例えば、皮膚の表面に近い、比較的浅い傷であれば、皮膚の専門家である「皮膚科」が適しています。一方、傷が深く、筋肉や腱、神経にまで達している可能性がある場合や、傷跡をできるだけきれいに治したいと考える場合は、傷の修復と再建のスペシャリストである「形成外科」が最も専門性の高い診療科と言えるでしょう。また、手足の切り傷で、指が動かしにくい、感覚がおかしいといった機能的な障害を伴う場合は、骨や関節、神経の専門家である「整形外科」の受診が不可欠です。この記事シリーズでは、切り傷の状態別に、それぞれの診療科の役割と特徴を詳しく解説し、あなたが最適な医療を受けるための手助けをします。